最近はアレコレと多忙で、出来得る限りミラクル作製希望の患者を他のミラクル歯科医院へ紹介していたが、この患者の切羽詰まった状況とこの日の時間的余裕もあったので、この患者を来院させる事にした。
もし、その日ミラクル (その日にミラクルを作製、装着) を作製するとなれば、ミラクルラボのテクニシャン１５人の中から製作担当を決め、その担当の時間的余裕も検討しなければならない。
また、その日ミラクルとなると、使用する材料があくまで既製品であり、その義歯が１０年以上使用に耐え得るか否かは不明である。
とすれば、本当のミラクルを作製すべきで、その間、せめて１週間ぐらいは流動食、マスクで、と患者に言わざるを得ない。
もちろん、保険適用の暫間の義歯を作製してと言う事もあるが、そこまで出来る時間と余裕が無いのが、今回の状況である。
しかし、症例によっては、残存する歯牙の動揺が大きく、次回の診療までに歯牙が抜けてしまうとなれば・・・・
これには、その日ミラクルデンチャーで対応するしかないし、また実際この数年間、相当数のその日ミラクルで対応して来たのは事実である。

この患者のメールを以下に掲載する。

前歯6本のブリッジが昨日朝から取れてしまって、悲惨な状況です。
歯科医院が怖く放置していたので、上の歯は3本しか残ってないです。
昨日はマスクして仕事に行っていましたが、流石に今日は休みました。
今日か明日にでも予約出来ないでしょか？

早速連絡をして、患者はこの日の１５時過ぎに来院。
外れたブリッジから１歯だけを再セットした。
義歯が出来るまで、１週間ほど会社を休むと言う話から、某ミラクルラボテクニシャンと相談、短期間で何
とか製作してくれる様に依頼！
直ちに印象、そして咬合採得へと進め、次回１週間後の火曜日装着の予約とした。

２０１９/３/１９

ミラクルデンチャーは上手く出来上がっていた。
前歯部欠損に対しては、時間的余裕があれば歯牙の配列を行って試適を行う事もあるが、そうした時間的余裕が無く、一発に完成させた。
最初、装着をしてみたが、前歯部の人工歯配列や咬合に関しても、ほぼ上手く出来上がっているのを確認した。
しかし、ミラクルの世界では、と言うより全てにおける義歯の世界では、ここからの調整如何で、その患者にとっての満点に出来る限り近付けて行かなければならない。
これが一般的に為されていない。
保険の義歯であろうと、自費の一見高級で高額な義歯であろうと、調整如何で義歯の装着点数がアップするか、ダウンするか、その義歯の価値が決定されると言う認識が、一般的に薄いようである。
ミラクル会員の講習会で何回も述べているが、調整無くして装着ＯＫ！ はあり得ないのである。
その調整は邪魔くさいし、相当に時間が要求される、その他いろいろあるが、それらの手法を会得、マスターすれば、ほぼ満点に近い、患者の発する　自分の歯みたい！　と言う共通言語をよく耳にする様になる。
それは１５年前からのミラクルに対する患者の真実なる評価であった。
この患者、この日で全てを終了。
満点にまで至った事を確認！！！
何か不具合あれば、早めに連絡を頂く、夜中は、つまり寝ている時は必ず、ミラクルを装着すべきである。
装着していないと残存している歯牙が傷む、あるいは動揺が始まり、段々と大きくなる、などの注意事項を述べておいた。
しかし下顎に１本カリエスがあると言う事で、細かい治療には視力が悪く、ずっと敬遠していたが、この患者にとってのあらゆる事を考え、１週間後にその１歯だけを処置する事にした。

２０１９/３/２６

この日、まず装着したミラクル、１週間装着の感想を聞いてみた。
予想通り完璧であった。
この１週間で、患者は口元に相当の自信を持っていた。
ミラクルデンチャーを扱うミラクルマンとしては、何時もの当然の事ではあるが、やりがいがあったと心中喜んだ。
下顎の歯牙４番のカリエスの治療を行なった。
ミラクルデンチャーは一切触らなかった。
ミラクルを洗浄した後、最後の本日１回目の装着を試みた。
ミラクルを１日１回洗浄する時以外、ミラクルを装着し続ければ、３年程は緩み無く経過するであろうと結論付けた。
設計もアレコレ考え、その担当某テクニシャンとも緊密に考え抜いた、ベストな設計であった。
しかも、金属部分には白金加金を使用。
高額にはなるが、世界中の歯科関係者すべてが、ビックリし、また大半以上が理解出来得ないであろうと思われる出来栄えであった。
患者には本日での完全終了宣言を出した。

この患者から理解して頂けると思うが、ミラクルはその日に慣れ切る事が可能である。
ミラクル以外の義歯を装着した患者がよく述べている事がある。
それは、他院で作製された義歯に慣れるのに日にちがかかると言われた、１週間か、ひと月かふた月・・・・
それも、一見高級で相当に高額な義歯もある。
時々、そうしたミラクル以外の義歯を持参する事がある。
アレコレと改造修理すれば、ほとんどの義歯が上手く装着される様にはなる。
ただ、ミラクルの様に歯牙を護るか否かは別の話！
もちろん、１５年間ミラクルで培った全ての手法を動員して修理する。
ミラクルが生み出した手法は、如何なるデンチャーにも応用され得る。
ところで、ミラクルではそうした事は無く、装着した日から、患者のほとんどは慣れる。
時間的余裕が無く、トコトン調整が出来なければ、次回にと言う事もあるかもしれない。
実際、この患者は、義歯装着が初めてで、義歯を全く知らない。
高額な費用を支払って、ミラクル以外の高級義歯を装着されても、ミラクルがもたらす自身の歯牙と勘違いさせる様な義歯は、ミラクル以外、世界の何処にも無い。
それら全てのミラクルに関する事実は、世界は広しと言えども、何処にも無い事実を改めて述べておきたい。
決して自慢等をしているのではなく、単なる真実を述べているだけである。
ミラクルは、ほとんど不適応が無く、どこまで行っても、どこまで考えても、総義歯を除くあらゆる部分義歯の基本、基準、水準であり、ミラクル以外の義歯は、症例や欠損歯数により不適応があったり、ミラクルの様に歯牙を保護するどころか、その義歯により、歯牙が傷めつけられ、歯牙の欠損歯数が徐々に増え、総義歯装着へと向かう事になる。
そうした実際を考えれば、高額で高級とされるミラクル以外の義歯は、単なる高級な子供の玩具であると、敢えて述べておきたい。
また数多きインプラント埋入にも反対する。
個人の高齢が進めば、何か不都合あって、インプラントの撤去手術もオオゴト極まりない事は、少し考えれば解るはずである。
実に恐ろしい！
ミラクルをシッカリと基本通りに調整を行えば、症例にもよるが、インプラントの９０％近い咬合力を得ることが出来る。
以前にインプラントを埋入していて、何らかの事情で撤去後、ミラクルを装着した患者は、その噛み具合、咬合力がインプラントと同じぐらいと証言する事も多い。
ネット検索等で偶然、ミラクルに出くわせた、縁のあった患者は幸せであったと断言出来る。
この事実は、ほとんどの患者、ミラクル会員が発する言葉で、最近よく耳にする。
ミラクルデンチャーとは、その様な想像以上の義歯である。