患者からのメールである。

以前に問い合わせをさせて頂いたものです。
自身の体調不良があり、直ぐには大阪まで行けなかったこともあり、そうこうしているうちにコロナの猛威があったので、先生に見てもらいたいのにそれが出来ず、歯は悪くなる一方で辛い日々でした。
コロナも少し落ち着いてきたので、どうか、先生に治療をお願いしたいです。
以前メールでもお伝えしましたが、、。
幼い頃から歯が弱く、自分の不摂生や、歯医者さんが怖くて歯科医院から遠ざかっていました。
歯周病が酷く、東京の専門医師のところへ行きましたが、腫れは無くなりましたが動揺が酷くなり…。
自身の持病で階段から落ちて前歯を無くしました。
そこからあれよあれよといううちに、歯が抜けていき、上の歯は数本しかありません。
近くのミラクルデンチャーを扱っている医院では、総入れ歯を勧められました。
その時の医師に言われた言葉は、ミラクルデンチャーは歯の丈夫な方にしか使えない。
あなたには意味無いとの言葉で諦めていました。
でも、最後の望みで先生に直接本当に無理なのかを伺いたいです。
今、前歯の部分が抜けた歯などをくっつけて応急処置の状態でくっついているだけです。
取れてしまいそうで毎日怖いです。
主婦ですが、フルタイムで仕事していて、先生に連絡をとっても本当に大阪まで行けるのか…。
不安の残る中、連絡させていただきました。

電話での内容から、その日ミラクルで対応すべきであると判断し、来院してもらう事にした。
１５時３０分診療開始。
開始するや、最終の新幹線は２０時４５分であると患者は述べる。
となると、遅くても１９時１５分位には終了しなければならない。
少し焦った。
口腔内を診ると、抜歯すべきは２本。
あとは残せる。
しかも両側に歯牙が残存となれば、設計は自ずと決まるし簡単である。
前以って、当院から50メートルのところにあるミラクルラボ（株）のテクニシャン清水に頼んでおいた。
出来得る限り、早く印象模型とバイトを渡さなければならない。
久し振りに苦渋の状況下で、何時もより少々、会長は燃えた。
すべき事は簡単、明白である。
しかし限られた時間内ですべき事１００あれば、出来る事は５０！
となると、その５０をやり切るのに、もちろん失敗は許されないが、是非これだけは抜かしてはならない、忘れてはならない事がある。
結論として、忘れた事はあった。
タクシーが待っている間に出来得た事である。
この患者の発言による会長の知り得た情報！
患者は４年前に階段から転倒した事で、上顎 ２１｜１２の歯牙のほとんど歯冠部を破折してしまった。
また各歯根の動揺が大きく、その4本は抜歯となった。
抜歯後、義歯を装着したが、装置のかかっていた３番が動き始め、やがて抜歯。
そこで写真の様な義歯を装着、やがて固定する事になり、何回か脱離しては接着を繰り返し、そして今に至った。
３年前に、東京の某歯科クリニックに歯周病を治すべく、７回レーザー治療を受けに通院。
患者自身がネットで探して受診する事になったが、歯牙の動揺がより大きくなることで、通院を断念した。
そうした事もあってミラクル受診にも疑いを以って臨んでいる様に思われた。
だから、会長は燃えた。
歯科界で安心して受診出来、その装着されたミラクルにより、鮑・海鼠（アワビ・なまこ）が即、食べられるんやで〜！
これを限られた持ち時間４０分で実証するには、これまでの出来上がったメソッドをフルに生かし切る。
チョイとトイレに・・・なんかはあり得ない。
例え漏らそうともやり切らねばならない。
まさに戦闘状況にある。
ああそうや、待っている間に、おにぎりを買って来させれば良かった等、アレコレと思い起こしながらの闘いである。
調整をしかけて２０分経過、１９時のチャイムが鳴る。
タクシーを手配するには、１０分前と聞いている。
もちろんリベースを１発で決めねばならない。
床全体の位置をシッカリと理想に近付ける。
如何なる義歯であっても、リベースをしなければ、その義歯にとっての１００点満点には近付かない。
ミラクルリベースと言うメソッドを使えば、如何なる義歯でも床のミクロン単位の隙間を埋める事が可能で、必ずや患者は義歯が軽くなったと表現し、大いに喜ぶ。
理屈で考えても、リベース無しではその義歯の満点は不可である。
他院から持参するいろんな種類の義歯に、ミラクルリベース法で対処すれば、患者は大抵ビックリする。
大金を使って作製された義歯の多くにミラクルリベースを行い、その義歯にとっての飛躍を何回も求めて来た。
ミラクルは、ミラクルデンチャー、ミラクルメソッドにおいても、もう既に完成の域に達している。
もちろんミラクルであってもリベースは必要。
義歯がウーンと軽くなったと１００％の患者が証言する。
しかし、そのリベース法は細かい点を怠ってはならない。
場合によっては、失敗もあり得る、嘗めてかかると義歯を壊しかねない。
そうした失敗の数々を乗り越えて、ミラクルリベース法は完成されている。
ところでこの患者に翌日、言い忘れていた事、忘れた事もあって電話をかけた。
少し話し辛い点はあると言う。
そうした細かい点は２週間後に行うと述べた。
噛むのは何でも噛める、と明るい口調であった。
次回、すべきあと５０の残りについて処置を行なえば、完璧！と言う言葉が自ずと患者の口から発せられる事になる。
恐らく残存する歯牙は１０年間、保存ＯＫ！と伝えると患者は喜んでいた。
但し２４時間、寝ている時も装着しておかなければならない事などを伝えた。
歯科医院への不信が募り、ミラクルも本当であろうかと疑問を抱きながら訪れたのは当然の事である。
まあしかし、初め暗そうな表情で、また緊張して来院した患者は、きっと自然な歓びのスマイルを発しながら、次回終了でお帰りになると思う。
これがミラクルの真実であり、実体である。

その日ミラクル装着から２週間。
一度もミラクルを外せぬまま来院。(途中までロックは動くが、そこからは確かに外れない)
たくあん、タコ、いか、何でも食べられたが、何か喋り辛い、床の厚みが気になるなど訴えていた。
当然、この前に時間切れで残った５０の仕事を本日中に成し遂げねばならない。
少しの油断も許されない。
しかしこれまで闘って来た全ての経験をもってすれば、ほぼ満点にまで辿り着けることを、会長は解っている。
確かにそれらは、ワンパターンの手技、考え方では出来得ない。
その時、その時に考えながら、間違いの無き様に進めて行かなければならない。
その時の肉体的、精神的、時間的負担は相当に大きい。
その時間中は、常に真剣勝負である。
自分の歯みたい！ と患者に言わしめる義歯にまで到達するには、それなりのパワーと意識は必要である。
また術者の自己満足と、患者の満足とは全く異なると、ミラクル会員には常に伝えて来た。
術者の自己満足でその患者に不幸が生じ始める、そうした症例に散々出くわして来た。
例外もあるが、患者の満足度なる尺度が最重要である。
ミラクル山の入り口は何ヶ所かあるであろう。
しかし頂上に達したとすれば、その頂上までの経験の数々の中から次の一手を編み出せば良い。　　　
将棋の世界と同じであるが、違うとすれば、悪手を指しても、どこかで挽回し、ミラクルは常に勝たなければならない。
最後の模型の写真１枚は、全てが終わった時に、印象採得を行った。
どこをどの様に削合すれば、患者の満点に達せるかをミラクルラボのテクニシャン達全員に伝達するためである。
最後に撮影した口元の写真で、ミラクルが元通りの素直な顔の形まで変えてしまう事実を確認願いたい。
２週間前の初診時とは変化している。
３〜４日あれば変化する。
この患者は２週間前とはガラリと変わり、客観的に美しくなった。
患者自身も家族も気付いていると思う。
最後の最後に、最終研磨、ピカッシュ処理 (銀ナノイオンコーティング) を行い、一切薬剤(ポリデント等)を要しない、３〜６ヶ月間水洗いだけで十分な処理を行った。
殆どのミラクル会員の診療所では、そのピカッシュ処理が行われている。
義歯独特の匂いも完全消失するので、ほぼ全ての患者は喜んでいる。
本日で終了となり予想通り、満面の笑みでお帰り頂いた。

６月２１日日曜日の深夜 ０時３分に突然届いた患者からのメールと私の返事をそのまま掲載する。

先日、静岡県から伺いました〇〇です。
先生に作成していただいたミラクルの調子は凄く良いです。
今まで、前歯の義歯がいつ外れるのかと恐怖で、夜も眠れなかったのが嘘のようです。
外れるのが不安で、食べ物はいつもほんの少しだけ奥歯で噛んで飲み込んでいました。
前歯で噛めないので、レタスでさえちぎって小さくして食べていました。
でも今は、ちゃんと食べ物の味を味わえるくらい噛めて、食べることが楽しいです。
歯医者さんが怖くて、怯えて受診した私に、先生はとても気さくに接して下さり、力強くミラクルについて話してくださって、とても心強かったです。
初めて、信頼出来る先生に出会えたと思いました。
口下手な私ですので、感謝の気持ちをその場で伝えられなかったのでこちらから失礼します。
本当にありがとうございました。

良かったです！
有り難く感謝のお気持ちを頂きます。
何かあれば、早めにご連絡下さい。
中川歯科医院　 中川瑛雄